#46.H2エンジン組上げ。点火時期調整編

750SSマッハIVの心臓を一から組み立てる。第5回(全5回)


調子の良いエンジンの三つの要素、それは「良い圧縮」「良い火花」「良い混合気」。私が修理でお預かりする不調なオートバイで必ず確認するポイントです。
今回の記事は「良い火花」にするための"火花の質"と"火花が飛ぶタイミング"の調整です。
H2の場合CDI点火となります。その為「良い火花」はCDI回路の仕組みが基本となりそのコンディションに大きく影響しますが、今回は基本的な調整手順を確認していきましょう。
ただし、安易な考えでの手出しは危険です。測定器も使用しますし中途半端に手を出すと逆に不調の原因となる場合もあります。調整が必要と感じた場合はまずは専門的な知識のあるショップで相談してみて下さい。


■まずはエンジン始動の準備

オイルポンプ・キャブ・マフラーを取り付け調整します。

取り付けたら、いよいよ点火時期調整です。


■おおまかな点火時期調整の流れ

①ピックアップコイルとマグネットローターの隙間を調整
②ポインターのセット
③ピックアップコイルの位置調整
④エンジン始動での点火時期確認

まずは写真でポイントカバー内の各部品の名前を確認しましょう。


①ピックアップコイルとマグネットローターの隙間を調整

調整する場合「ピックアップコイル」を止めている2本のナベビスを緩め調整します。

「マグネットローター」と「ピックアップコイル」それぞれの突起の隙間が0.5から0.8ミリの間に入るように調整してから、「ピックアップコイル」を取り付けているナベビスを締め付けます。この作業を3つの「ピックアップコイル」それぞれに行います。


②ポインターのセット

3つのシリンダーのプラグを外し、またがって左側のシリンダーのプラグを覗きます。
「マグネットローター」を固定しているボルトをレンチで回し、クランクを回転させ、まずは目視でピストンを一番上あたりまで持ってきます。

アダプターを使ってダイヤルゲージをプラグ穴にセット。

クランクを回転させ正確に上死点(ピストンの位置が一番上にある状態)に合わせます。

上死点の位置からクランクを時計回りに回転させ、ピストンが上死点から3.13ミリ下の位置に来た時、「ポインター」とLマークのケガキ線が合うように「ポインター」を止めているナベビスを緩め「ポインター」を動かし調整します。


③ピックアップコイルの位置調整

「ポインター」の位置がセットできたら、クランクを時計と反対方向に少し回し「ポインター」とSマークのケガキを合わせます。

次に「ピックアップコイル」が取り付けられているプレートを動かして「ピックアップコイル」本体にあるケガキと「マグネットローター」のエッジの部分を合わせます。
以上の調整を左側用・中央用・右側用それぞれの「ピックアップコイル」で行う。


④エンジン始動での点火時期確認

エンジンを始動して暖気をした後、エンジン回転数を4,000回転でキープします。

まずは左側のシリンダー用のプラグコードにタイミングライトをセットし、「ポインター」を照らします。「ポインター」とLマークがあっていることを確認します。合っていない場合は、③の工程で調整した「ピックアップコイル」の位置をタイミングライトを照らしながら再度調整します。この作業を各「ピックアップコイル」ごとに行います。
以上で点火時期の調整は終了です。


以上が点火時期調整の流れです。「ポインター」が上死点前の正しい位置にちゃんとセットされているかどうかが大前提になります。この調整が間違っていると根本的に間違ったまま作業進めることになりますので注意が必要です。ダイヤルゲージ等も使用する繊細な調整です。充分理解をしないまま手を出すのはとても危険なので無理をせずその場合は専門店にお任せ下さい。
思いも寄らず長期連載となってしまった「H2エンジン組み立て」も、ついに最終回をむかえます。なかなか記事をまとめる時間がとれず、最初の記事からもう1年が経ってしまいました。記事をお読み頂いてる方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです。....本当にすみません。これに懲りずこれからもご贔屓ください。
これが本年最後の記事となります。今年はコロナの影響で様々な変化が起きた一年でした。しかし、オートバイはソーシャルディスタンスの最たる乗り物です。これからも皆さまのバイクライフを応援させていただければ幸いです。来年もよろしくおねがいします。では、良いお年をお迎えください。

#46.H2エンジン組上げ。
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