#06.フロントフォークを蘇させる。KH250編(ちなみにKH400も同じ工程です)

フロントフォークオーバーホールの極意。


オイルシールからの漏れが無いからといって安心していませんか?実はオイルの劣化やフォークの曲がりなどで、十分な役目を果たしていないFフォークが多いのが実情です。頻繁にO/Hをする必要はありませんが、購入してから一度もメンテナンスをした事がない方は、今回の記事を参考に検討してみてはいかがでしょうか。

今回FフォークをO/Hする車両です。まずは安定した場所に直立に立てます。センタースタンドがある車両は必ずセンタースタンドで立てて下さい。今回のO/Hする車両はセンタースタンドが無いため、チェーンブロックでリフトアップさせました。

リフトアップした状態。まず最初にフロントタイヤが接地した状態で緩められるボルト・ナットはすべて緩めておきます。

フロントフォークトップキャップを緩める。

トップブリッジのフロントフォーククランプ部のボルトを緩める。※注:三つ又のフロントフォーククランプ部のボルトは緩めないで下さい。

キャリパーの取り付けボルト2本を緩める。

フロントホイールアクスルブラケットのボルトを緩める。

緩める順番は進行方向から見て後ろ側のナットから緩める。次が前側。

ブラケットを外します。この状態ではまだタイヤは外れません。

フロント側を浮かせます。ホイールはブラケットが外れているので、ホイールを残して浮き上がります。ホイールを外す際にはキャリパーが邪魔になるので、キャリパーを外してからホイールを抜き取ります。

次にフォークシリンダーボルトを抜くので下にオイルパンを敷いておきます。

フロントフォークを下から覗き込むと、六角レンチで回すボルトが見えます。これがフォークシリンダーボルトです。このボルトを抜きます。

オイルが流れ出てきました。通常はフロントフォークを単体にしてからフォークシリンダーボルトを緩めるのですが、実はフロントフォークが車体についているこの状態の方が、ボルトを外しやすいのです(プロの豆知識)。

フロントフェンダーを外す。

足回りが取れた状態です。

次に三つ又のフロントフォーククランプ部のボルトを緩めます。この時フロントフォークが”ストン"と落ちてくる事があります。必ずフロントフォークを押さえながらボルトを緩めて下さい。

フロントフォーククランプ抜き取る。

分解作業

万力でフロントフォークを固定します。

緩めておいたフロントフォークトップキャップを外します。この時スプリングの力で中の部品が飛び出してくる恐れがあるので、下に押さえつけながらキャップを緩めていきましょう。

フロントフォークトップキャップ下のスペーサーを外す。

ダストブーツも外す。

フォークシリンダーボルトはすでに外れているので、インナーチューブ・フォークスプリング・フォークシリンダーをまとめて抜く。

出てきたフォークスプリング。

フォークシリンダーアッセンブリー。

フロントフォークアウターチューブからオイルシールを外す。まずは、オイルシール上にセットしてあるサークリップ・ワッシャーを外す。

フロントフォークオイルシールをオイルシールドライバーで外す。今回はタイヤレバーを代役で使用しました。この時フロントフォークアウターチューブの内側を傷つけないように注意する。

KH250/400の構成部品(片側)。ご自身で分解した後に、パーツの数があっているか画像と見比べて確認してください。

洗浄・組み立て

次に洗浄です。古いオイルとスラッジを洗浄液でよく洗い流します。

エアブロー。

インナーチューブの曲がりを計測。

アウターチューブ内側の奥は汚れが酷いので、目視でよく確認し汚れを落として下さい。

次は組み立て作業です。万力に画像の様に固定します。

今回交換する部品です。
オイルシールは当店でも販売しております。

フォークシリンダーアッセンブリーにフォークオイルを軽く塗布する。

塗布後フォークの中に入れる。

フォークシリンダーのトップは画像の様な形です。この部分は後ほどフォークシリンダーボルトを締め付ける際に特殊工具で押さえます。

フロントフォークインナーチューブ下側からフォークシリンダーが出てきます。

そのフォークシリンダーの先にフロントフォークロックピースを差し込みます。

フロントフォークロックピースを落とさないように、インナーチューブをアウターチューブに差し込みます。

ガスケットを新品にして、フォークシリンダーボルトを締め込みます。

画像の様な特殊な形のソケットで先程のフォークシリンダートップを押さえます

画像の様にフォークシリンダーボルトを締め込みます。

フロントフォークを画像の様に固定し直します。

次にフロントフォークオイルシールの組み付けです。まずは内側にシリコーングリスを塗布します。

フロントフォークオイルシールにインナーチューブを慎重に通します。

フロントフォークオイルシールを下にずらして、フロントフォークアウターチューブ内に出来るだけ人力で押し込みます。

フロントフォークオイルシールドライバーで、フロントフォークオイルシールを打ち込みます。この時、新品のオイルシールを直接打ち込むとキズが付いてしまうので、古いオイルシールを緩衝材に使います。キレイに洗ってドライバーと新品のフロントフォークオイルシールの間に入れ、新品のが傷つかないようにします。

完全に底付きするまで打ち込んで下さい。

シールの上にワッシャーサークリップを組み付けます。

フロントフォークオイルを規定量はかります。今回使用するオイルの粘度はG10です。

まず半分程注ぎ込みます。

インナーチューブをゆっくり上下させエアー抜きをします。

残りの半分を入れます。

フロントフォークオイル量の他に油面の高さもメーカーの指定値があります。高さ調整は画像の専用工具で測ります。

フロントフォークスプリングです。画像の左側が組み付けの際上側になります。ピッチが密な方です。

フロントフォークスプリングを静かにインナーチューブ内に落とします。この時オイルが外に漏れない様にインナーチューブを上に引き上げた状態でスプリングを入れて下さい。

スプリングの上にワッシャー→スペーサーの順で入れて下さい。。

フロントフォークトップキャップのOリングにオイルを塗布する。

インナーチューブを引き上げながら、トップキャップでスペーサーを押しこみ、トップキャップを締め付ける。

トップキャップは軽く仮締め。

作動確認。

ダストブーツを組み付ける。内側の切れ込みの位置に注意。

切れ込みの位置は進行方向に対して後ろ側にする。

フロントフォーク単体のO/H終了。

組付けは逆の手順で行ってくだい。

完成

完成!!

#10.マフラー脱着。
400SS編

#09.オイルを替える。
KH250編

#08.日本国籍を取る。
H1編

#07.点火を操る。
KH250編

#06.FフォークOH。
KH250編

#05.マフラーを斬る。
KH400編

#04.腰下をバラす。
KH250編

#03.シリンダーを計る。
KH250編

#02.腰上をバラす。
KH250・350SS編

#01.キャブをバラす。
KH400/350SS編